博愛への戻り道
撫でる手を引き寄せ業を抱きしめる由人
由人「心配したんだぞ」
業「心配掛けたな」
由人「うわあああああああああ」
業「病院の中探検しようぜ」
由人「...うん」
☆★☆
業「由人見ろ!屋上が解放されてる!」
由人「ほんとだ!」
☆★☆
由人「業。傷だらけだな」
業「まさか最後はトラックとは」
由人「オレ、業がここに石ぶつけられた時、頭にすげー血が昇ったの覚えてる」
業「あれは仕方ないさ」
由人「石投げたのってミカミか?」
業「ミカミだけどミカミじゃない。ミカミは俺の事若ちゃんて呼ぶもん」
由人「そういやそうか」
業「そういや昔金子みすゞの授業をしたんだ」
☆★☆
わたしが両手を広げても
お空はちっとも飛べないが
飛べる小鳥はわたしのように
地べたを早くは走れない
わたしが体をゆすっても
きれいな音は出ないけれど
あの鳴る鈴はわたしのように
たくさんな歌は知らないよ
鈴と小鳥と それからわたし
みんな違って みんないい
由人「その詩知ってる」
業「それから積もった雪」
上の雪
さむかろな。
つめたい月がさしていて。
下の雪
重かろな。
何百人ものせていて。
中の雪
さみしかろな。
空も地面もみえないで。
業「体育館で三人重なって積もった雪になってるやつらがいてさ、ミカミがそいつら一人一人にインタビューしたんだ」
由人「上の人、月が冷たい。下の人、重い。中の人、なにも見えない。」
業「そうそう。しまいにゃミカミがその上に飛び乗って4層目になってさ」
由人「インタビュアーがのっちゃうのかよ」
業「ミカミに『今の気持ちは?』って聞いた」
由人「なんて言ったんだ?」
業「『今日から俺が一番上だ!』って」
由人「へえ」
すっ
業「今の気持ちは?」
由人「オレは由人、そっちこそだれだ?」
業「俺は業!若山業だ!」
由人「オレの中にはオレじゃないだれかがいるのか」
業「俺の中にだってそうさ」
由人「そうだな...」
業「俺らが生きてるって」
由人「オレがココにいる事自体がオレが愛された事の証明なんだな」
業「誰にだよ?」
由人「お前に決まってるだろ」
業「戻ろうか」
屋上を後にしようとする二人、ドアを開けたときミカミと田澤さんと栞がいる
業「アスカ、栞」
ミカミ「おれは昨日来たからね」
業に抱き着く田澤さん
カットイン
田澤「テレビで踏みつぶされたあんたの携帯観て、あんたがああなったとおもちゃったわよう!」
栞「業...元気?」
業「生きてはいるぜ」
栞「ほっとした!」
田澤さん「もおおおおおおおお業の馬鹿ああああああ」
業「由人にミカミに栞にアスカ、そして俺」
田澤「今ここにいるあたしたちが生きていることってどれだけの奇跡かわかってるの!?」
業「ああ。あっそうだ」
栞「業、何?」
業「いいこと思いついた、高校生になったら5人でバンド組もう!」
栞「え?」
由人「オレだけ小学校違うんじゃないか?」
田澤「いいわ?あんたの願い聞いたわ」
業「お前はミサンガか」
ミカミ「どういう意味?」
由人「自然に切れたとき夢を叶える」
ミカミ「うまい!」
栞「いいの?あたしも」
業「ここにいる5人だ」
ミカミ「おれがドラム」
栞「あたしがキーボード?」
業「そうだ、由人がギター、アスカがベース」
由人「ギターなんて弾いたことないぞ」
田澤「あたしもよ。でもやるわ。そのくらい、ベースとギターってどう違うの?」
業「ベースは低音でノリを作るんだ」
田澤「グルーヴってやつね?わかったわ」
由人「まあ、14才のくせに何かを始めるのをためらうこともないか」
栞「始めるのに年齢なんて関係ない!」
由人「そうだね」
業「高校生になるまで2年間もあるんだ」
田澤「最高の女ベーシストになってやるわよ、あんたのために!」
☆★☆
栞と田澤さんの帰り道。
田澤「まずは貯金ね、あとは音楽をよく聞くこと!」
栞「あたし、学校行く」
田澤「本当!?」
栞「うん、業の死んだ世界を生きるくらいなら、あたしこの世界でちゃんと生きたい」
田澤「あっ」
とくん。
栞がいた6年間。
栞のいなかった1年間。
そして
田澤「ああああああああ」
泣き出す田澤さん。
田澤「(あたしは今、かなわない恋をした!!!)」
栞「そっか...ずっと心配かけてたんだ、ごめんね」
田澤「違うの違うの~~~~!!」
栞「ええ!?いまアスカが何考えてるかわからない!」
田澤「(あたしは業のために生きるのにあんたを好きになっちゃったのよおおおおおおおおお)」
☆★☆
由人帰宅、愛礎が抱き着いてくる。
愛礎「由人なの?」
由人「大丈夫、由人だよ」
抱きしめ返す由人。
母「おかえり、出かける前なにかあったの?」
由人「なにもないよ、ただいま」
☆★☆
翌日
常本先生「業」
振り返り驚く業
業「常本先生!」
常本先生「車は怖いなあ」
業「俺の過失だよ、運転手に申し訳ないくらいだ」
常本先生「年間4000人が死んでるんだ、助かったんだからいい」
業「あ」
常本先生「ん?」
常本先生の胸ポケットを見る業
業「それ」
常本先生「ああ、トランプ、お前のことだから眠りながら退屈してるかなってさ」
業「先生は人が起きてても寝てても活動してるって思ってるんだね」
常本先生「だから来る前コンビニで買っといたんだ」
業「さてはもし臨終してたら墓標に添える気だったな?常本先生のことだから」
常本先生「業、死にかけたか?鋭敏すぎる」
業「心臓は一回止まったらしい!」
常本先生「そうかあ。・・・ちょっと遊ぶか?」
業「ポーカーやろう!」
常本先生「お、いいなあ。先生強いぞ?」
業「14才の顔色は見慣れてないはずだぜえ~?」
常本先生「かけるか?」
業「金なんてないよ~」
常本先生「真剣にやる方法ないかな」
業「真剣になるだけでいいんだよ」
常本先生「確かにな、ジョーカーは?」
業「1枚入れる。何回勝負にする?」
常本先生「どちらかが負けを認めるまで」
業「乗ったぜ」
常本先生視点
1戦目
表情を読む常本先生、業は手札に夢中。
業「昨日ミカミと栞とアスカと由人が来てさ」
常本先生「よしとってあのクラスにいたか?」
業「ううん中2になって一緒のクラスになった友達」
常本先生「4人が来てどうなった?」
業「高校生になったらバンド組むんだ」
常本先生「どっちから決める?」
業「なにを?」
常本先生「乗るか下りるか」
業「じゃあ俺から」
常本先生「オーケー。互いのドローが済んだ、どうする?」
業「乗る」
常本先生「おれも乗ろう」
業と常本先生「せーの」
業「スリー・カード!」
常本先生「フルハウス」
業「負けたあ!もう一回!」
常本先生「負けを認めさせたほうが勝ちだからな」
業「おう!」
2戦目
手札交換。業は相変わらず手札に夢中。
無言で笑いながら手札を揃える業。
常本先生「(まあうれしそうな顔しちゃって...勝負して勝った顔を見たい気もするが...子供扱いは...卒業生に対して失礼だな)」
業「さあどうする?」
常本先生「下りる」
手札を裏向きのまま置く常本先生。
業「ちぇ、フォア・カードだったのに」
置いた手札を裏返す常本先生。
常本先生「俺はフラッシュ」
業「フラッシュで下りたのか?俺なら乗っちゃうなあ」
常本先生「ふふ(お前俺の顔見てないだろ)」
常本先生が1勝のまま3戦目。
常本先生「(今の業は臨死体験の影響で鋭敏だ、しかし俺の顔を見ない。飽きた方の負けになるか)」
業は相変わらず楽しそう。おでこの治りかけの傷、鼻頭の傷、頭に巻かれた包帯。
常本先生「(今の業には根負けすらしたくない、ロイヤルストレートフラッシュでも決めりゃいいのか?)」
3戦目で業が何かに気づいた表情。
そしてうれしそうな顔を見せ始め
手札交換の末にそれは頂点に達する
常本先生「何が来た?フォア・カードでもあの程度の表情だったのに」
業「表情?あー!!顔見てたのかずるいぞ!」
常本先生「おいおいポーカーフェイスって言葉があるだろう」
業「げげ~~...」
常本先生「さて乗るか下りるかどっちだ?」
業「乗るぜ」
常本先生「手札を見せたくてたまらないみたいだな」
ツーペアを揃えるも舐めプを選ばず下りる常本先生。
置いた手札から手を放す。
常本先生を見つめる業のうれしそうな顔は崩れない。
常本先生「(しまった!弱い役でかましてきたか!)」
業「じゃーん!!」
常本先生「(業の手札は!?)」
JOKER
KINGハート
QUEENダイヤ
JACKスペード
ACEクラブ
常本先生「(ブタ!?やられた!いやジョーカーでエースとのワンペアか!!)」
業がワンペアの手札を携えた表情で常本先生を下りさせて勝った。
常本先生「(待て!おかしいぞ!このばらばらの手札を揃える過程で、なんであんなうれしそうな顔ができるんだ!)」
常本先生の混乱した顔を見て業の喜びは有頂天。
業「先生!この役の名前を聞いて?」
常本先生「(名前だと!?)」
JOKER
KINGハート
QUEENダイヤ
JACKスペード
ACEクラブ
常本先生「(そうか自分でルール上意味を持たない付加価値を与えたのか...!!)」
常本先生は合点がいった。
常本先生「業、先生、ロイヤルストレートフラッシュでも揃えてんのかと思ったぞ、この役はお前にとって何なんだいったい?」
業「これはね...」
唾をのむ常本先生
業「『みんな違ってみんないい』!!」
常本先生の精神が崩壊する
回想
ミカミの声「赤に青に白に黄色!」
唱和「みんな違って!みんないい!!」
JOKER
KINGハート
QUEENダイヤ
JACKスペード
ACEクラブ
常本先生「ああ!!」
業「全員だ!」
常本先生頭を抱える。
常本先生「ブタとは博愛のことなのか!!みんな違う!1枚も同じカードのないブタは役に勝てない!!勝負にならない!!役と争わないのが博愛か!!」
業「そうっ!ジョーカーがいるから一応ワンペアだけどねっ!」
常本先生「JOKER、KING、QUEEN、JACK、ACEそしてハートにダイヤにスペードにクラブ!」
業「みんな違ってみんないい!!」
常本先生「業は、誰よりも俺の教えた博愛を理解した!!いや!!!俺を超えたんだ!!!」
業「超えた?」
その瞬間、バンド名を業が思いつく
業「先生、俺バンド名思いついた!」
常本「博愛のバンド名!?『みんな違ってみんないい』!?」
業「ううん!由人とミカミとアスカと栞と組むバンド名は」
常本先生「バンド名は!?」
業「『オリジナル・トランプ』だ!赤に青に白に黄色!みんな違ってみんないい!」
常本先生「うおおおおおおお」
ランプから解き放たれた魔神のような声を上げる常本先生。
業「はは、この部屋にほかの患者さんがいなくてよかったっ」
常本先生少し落ち着く。
常本先生「業たち5人にこの手札の役職があるんだな?」
JOKER
KINGハート
QUEENダイヤ
JACKスペード
ACEクラブ
業「そう、今日みんなが来たら誰がなにか話し合う!」
常本先生「最高じゃないか」
業「へへっ」
常本先生「業、売店にいこう。祝杯をあげよう」
業「ええ!?まあ酒なんて病院にないし、もう卒業してるし、いっか!!」
☆★☆
常本先生に売店で何か奢ってもらうものを選ぶ業。
だが常本先生は由人たちとも盛り上がれるようにいろいろ買ってくれた。
売店のお姉さん「ちょうどいただきます」
袋詰めする売店のお姉さん
常本先生「...業、頭撫でていいか?」
業「いいよっ」
業の包帯巻きの頭を撫でる常本先生。
回想
『花丸をやろう』
逆さの青い花丸が書かれた右の手のひら
業「(先生が俺に触れるのってあの青い花丸をくれたとき以来だな)」
『君の担任になる常本哲也です』
『その通り!!嘘で真実を表現しようとした!全て嘘で語ることによって新しい仏教観を構築したんだ!』
常本先生「ふっ、もう俺とそんなに背が変わんないなあ」
業、その一言聞いてトランス。
業「先生っ!」
姿が小学生の頃に戻って先生にしがみつく。
抱きしめ返す常本先生。
常本先生の姿も青白い姿になる。
青白い常本先生「俺を超えた業は俺の誇りだ...!」
小学生の業「うんっ!」
青白い常本先生「いつか卒業した誰かが証明してくれると信じてたけど、それはやっぱり業だった!!」
小学生の業「うん!!」
青白い常本先生「俺、教師になってよかったよ...!」
小学生の業「うん!!!」
青白い常本先生「俺は常本哲也だけど違うんだ!!俺の正体はエニグマだ!!!!みんなの中にいるのに誰もそれを認めなかった!!!」
小学生の業「俺だって、俺だってカルマズだ!!俺だけのエニグマがカルマズなんだ!!!!」
青白い常本先生「カルマズ!お前に会いたくて俺は生まれてきたんだ!」
小学生の業「俺は、先生の夢見た通りみんなのエニグマを全員救う!!」
青白い常本先生「同じ約束だ、俺たちはずっとこの約束を果たすために生きていくんだ!」
業「うん!」
売店のお姉さん口あんぐり。
顔のアップになりよだれをたらしてるのがわかる。
14歳と32歳が涙をぼろぼろこぼして抱きしめ合っている。
売店のお姉さん「(な、なんなのこの光景...)」
抱擁を解く二人
売店のお姉さん「どうぞ」
常本先生「ありがとう」
業「先生、もう花丸くれたりしないのかな」
常本先生「自分よりすごい存在に花丸なんてやれないさ」
ミカミ「あ!」
田澤「え?あ!」
栞「あ!」
由人「ん。誰?」
ミカミ田澤栞「せんせー!!」
駆け寄る三人についてく由人。
常本先生「おーお前ら、先生は帰るところだ、これみんなで食べてくれ...」
ミカミ「ええ!?帰るの!?」
栞「先生に会えたの卒業以来!」
田澤「あたしも!」
常本先生「あ、バンドの話聞いたぞ、それにさっき業がバンド名思いついたぞ」
栞「本当!?」
業「ああ、病室行こうぜ」
田澤「先生も来ない?」
常本先生「さっきいったからな、はは」
ミカミ「先生俺らがライブやったら見に来てくれよな!」
常本先生「2年後を楽しみにしてるよ」
栞「また会える!」
田澤「うん!」
由人「おい病室行こうぜ」
常本先生「君が5人目のメンバーか」
由人「あ、はい由人です。」
常本先生「(この子もエニグマか...)業たちをよろしくな」
由人「アスカさんと栞さんは昨日会ったばかりですけど、まかせてください」
常本先生「たのもしいな、じゃ、帰るよ」
田澤さんが手を振って見送る
手を振り返す常本先生。やがて背を向ける。
誰にも聞こえない小声で何かをつぶやく常本先生。
常本先生「由人くんか...(あの子のエニグマは変わってたな...言葉のひっくり返り方の度合いが強いみたいだ)」
『田澤さんと栞さんは昨日会ったばかりですけど、まかせてください』
常本先生「(どういう意味だ?)ミカミと業は知ってたから当然としてアスカと栞も自分にまかせてください。(解読してくれ意味不明だ)6人目がいる?(なるほど)それはもう出会ってる友達、ということか(ふふ、面白い子だな、哲也)ああ(...俺は今日、初めてお前意外の存在に知覚された)」気付かれた聞かれた見られた知られた(最高の一日だ)残りの人生をどう過ごす?(ここからが『戻り道』という訳だよ)」
立ち止まるとちょうど信号前
緑ではなく「青」が信号に灯り、横断歩道を渡り切り
常本哲也「行き道はついに終わったか。業の代わりに俺が死ぬ?(そんなこと、誰にもさせやしない)俺としたことが赤い雨を恐れてしまったか、こりゃ愉快だ(さて今のクラスに気持ちを切り替えよう)」
???「あー常本先生!」
常本先生「おーみのるー!」
みのる「どこいってたの?」
常本先生「お見舞いだよ」
みのる「誰の?」
常本先生「卒業生の業って生徒だ」
みのる「先生いつまで僕の先生でいてくれる~?」
常本先生「お前が先生って呼んでくれる限り、ずっとだよ」
みのる「うん!!じゃあずっと僕の先生ね!」
常本先生「みのるは何してたんだい?」
みのる「カード買いに来たの」
常本先生「いいの当たったか?」
「うん!」
ロングになる「みてみて~」
☆★☆
田澤「ねえバンド名何なの!?」
ミカミ「それでは発表してもらいましょう」
栞「あたしたちのバンド名は」
由人「オレ達のバンド名は」
ミカミ「だらららららららら!だん!」
業「オリジナル・トランプだ」
田澤「お~」
由人「へ~」
栞「いいかも!」
ミカミ「どういう意味なの?」
業「さっき常本先生とポーカーしてたんだ、最後に先生が負けを認めたのがこの手札!」
JOKER
KINGハート
QUEENダイヤ
JACKスペード
ACEクラブ
田澤「ワンペアじゃない」
栞「ポーカーフェイスで先生を下りさせた!」
業「そう」
ミカミ「どんな顔してたの!?」
業「こんな顔」
両手で顔を挟む業。
ミカミ「真相は藪の中か」
由人「俺ら5人がこの5枚ってわけだな?」
栞「それおもしろい!」
業「誰がどれかはこれから話し合おう」
JOKER
KINGハート
QUEENダイヤ
JACKスペード
ACEクラブ
業「俺がジョーカーかな?」
間。
由人栞ミカミ田澤「いやいやいやいや」
田澤「まあジョーカーはおいといてあたしはジャックね」
栞「ちがうアスカはクイーン!」
由人「ミカミはエースがいいんじゃないか?」
ミカミ「俺がエースう?」
田澤「野球やってたしね」
栞「あたし、ジャックがいい!」
由人「ならオレがジョーカーだな」
業「キングが俺か」
栞「ジョーカー、冗談しか言わないってどう?」
由人「拒否する」
ミカミ「それも冗談?」
田澤「反対言葉ね?おもしろいわ!」
業「由人」
由人「なんだ?」
業「ほんとのこと言ったら死刑な?」
由人「ふふっ、そんなことできる訳ない」
田澤「疲れたらやめていいわよ?」
由人「わかった」
ミカミ「なんかこわいなあ(笑)」
業「由人は自然体でジョーカーなのさ」
ミカミ「そうなんだ」
栞「業だけは由人のことわかってる!」
田澤「自然体でジョーカー、それってギャグとシリアスに境がないってことかしらチャップリンみたいね」
業「これから一緒に過ごすうち解ってくるさ。なっ由人!」
由人「いやあ、それほどでも...」
ミカミ「なんで照れるの?」
栞「由人のこと、あたしたちも知りたい!」
田澤「楽しくなりそうね、業」
業「差別の行き道は終わった!これからは博愛の戻り道を歩いていくんだ!」
ミカミ「戻るの?」
由人「たどり着くのは」
栞「どこ!?」
由人「差別の無い世界かな」
田澤ミカミ栞「...」
田澤「そんなの実現できるの?」
由人「できる訳ないさ」
業「嘘つきのことを純真ていうんだ、由人は世界一の純真だ!」
由人「そんな訳ないだろう!前提からしておかしいよ!」
呆然とする田澤さんとミカミと栞
栞「悪人正機...」
由人「なんだそれ」
ミカミ「差別はなくならないって前提を」
田澤「あたしたちが覆すの?」
業「この5人でならできるよ!」
由人「そりゃ誤認だ」
一同「ぷっ、ははははは」
カルマズ リバーシブル・ロード 第12話 行き道と戻り道 おわり